ぐるっと続く、幾何学模様。
どこから見ても繋がる柄は、下にいくにつれて、大きな平行四辺形に。
□ニットのこと
縦の繋がりも、横の繋がりも、見る人や見るところによって様々な見え方をします。
そんな表情豊かなジャガードニットには、立体感を意識した工夫を凝らしました。
ネックから身頃までだんだんと広がっていくのは、ホールガーメント製法が得意としているパラシュートというパターンです。
肩から首のまわりまで円形になっており、肩の部分に継ぎ目がありません。
ジャガードの平面的なデザインをパラシュートの立体的なパターンにのせることで、柄の見え方に変化をだしました。
表目は天竺編み、裏目は糸が渡ることで、表にでる糸を変えて柄を表現しています。
通常、ホールガーメント製法でこの編み方をすると、大きい柄は裏目の糸が長く渡ることによって引っ掛かりができるため、小さい柄で編むことがほとんどですが、裏側に特殊な方法でループをつくり、糸をとめることで改善をしました。
また、柄の配色部分では糸の種類を変えて、凹凸をだしました。
ニットの動きや素材の違いによって、様々な見え方をするのです。
□素材のこと
ジャガードニットは2種類の糸で編んでいます。
主に使用しているのが、ウルグアイとブラジルの国境付近で生まれた南米育ちのウールです。
大らかな厚みと弾力性があり、素朴な風合いが特長の糸です。
柄の配色部分とネックの内側には、cucumuの定番糸であるエクストラファインラムウールを使用しました。
繊細な毛質と肌触りのやわらかさが特長です。
どちらの糸も単色ではない奥行のある色合いが、ジャガードニットをより表情豊かにみせてくれます。
1枚の編地で描いていた小さな柄は、試編みと調整を繰り返すことで、1着のニットに描けるほどの大きさまで広げることができました。
技術者の情熱がつまった、他とは一味違ったジャガードニットです。