ぎゅっと密度が高く、羊の毛皮のよう。
フリースの語源である“羊一頭から刈り取られたひとつながりの毛皮”を彷彿させます。
□ニットのこと冬の衣類として定番であるフリース。
ポリエステルやアクリルなどの化学繊維を起毛した、もこもことした素材を思い浮かべるのではないでしょうか。
フリースの語源を知り、ウールとホールガーメントの特長を活かしたニットを編めないかと考え、ウールフリースベストの企画がはじまりました。
羊の毛皮のような厚みと風合いをもたせるためには、“縮絨”と“素材の選定”が重要でした。
縮絨とは組織を緻密にし、毛端を絡ませてフェルト状にすることです。
ウールフリースベストでは、洗いと乾燥の工程で時間や温度を調節しながら、圧力や摩擦を加えて収縮させます。
糸の色や編地の大きさによって縮率が異なり、過度に縮絨させると固く、伸度もなくなるため、調整を重ねました。
また、編み方によっても縮絨による見え方に違いがありました。
ウールフリースベストでは天竺編みをし、裏目を表面にしています。
左の編地は表面、ファスナーを挟んで右の編地は裏面です。
天竺編みの裏目を表面にすることで、より羊の毛皮のような絡まりを表現しました。
□素材のこと
CHESSとFAIRY BOUCLEの2つの糸を引き揃えて編んでいます。
CHESSは、オーストラリア育ちのメリノウールのなかから厳選された数種類の毛をブレンドして紡績されたバージンエクストラスーパーファインウール糸です。
ニット用のウール糸のなかでは比較的に細番手であり、空気を多く含んだ軽さからソフトで弾力性のあるふくらみが特長です。
FAIRY BOUCLEは、芯にリサイクルナイロンをもつエクストラファインメリノウールのブークレ糸です。
ブークレとはフランス語で“輪”を意味し、表面に小さな輪があり、表情が豊かな糸です。
どちらの糸も軽く、嵩高性があることから、
縮絨をかけても重くならず、厚みをだすことができました。
重ねるだけで、あたたかい。
緻密な編地から、ウールがもつ保温性の高さをより一層感じることができるニットです。